そういえばHayashiさんが初めて(川崎)ぴあにしもで高木・太田デュオを聴いたときの文章、面白かったなあ。
ーー太田さんがそういうジャンルをやってるって知らないで初めて観に行って、ああこんなことやってるんだ、ってとこですよね。・・・それは僕がTOYを初めて観たときもやっぱりそうで、この人ジャズなんだ、ジャズってこんなことやってるんだ、って。関(恭史)さんのトリオでも、ああ、太田さんはスタンダードやるんだって、びっくりしました(笑)。
それはね、ミュージシャンもそう!。吉野弘志さんとか、梅津さんとか、佐藤允彦さんにも言われたんだけど、「いや僕ステファン・グラッペリなんですよ」っていうと「嘘ぉ!」って。ワンコード以外・・・アラブ音楽ってDならD(という同じコードで演奏する)なんだけど、コード進行のある音楽やんの!?って(笑)。吉野さんなんか、「太田くんとジェシージェームズ※って全然浮かばない」って。
(※ジェシージェームズ :立川にあるJazz Bar。太田は関恭史 とのユニットでスタンダード・ジャズを中心に定期的に演奏している。
下積みが長いっていうのも、当時は苦しかったけど、今は愉快だね。引き出しがいっぱいあるっていう感じだから。一緒にやっているミュージシャンが未だに驚いてくれる。お客さんを驚かすっていうことも喜びなんだけど、まず一緒にやってくれる人を驚かすことが楽しみだからね。いまだに、「ジャズやるんだ!?」って。逆に関さんなんかだとスタンダード・ジャズの方で出会ったから、「普段は何やってるんですか、えっ、アラブ音楽やってんの!?」って(笑)。やっぱり引き出しが多いのは楽しいね。
まあ、とは言ってもそれに胡座をかいてちゃだめで、なおいっそう下積みを続けようとも思うんだけど。両方やりたいですね。メジャーでやりたい気持ちもあるし、(メジャーに)なればなったでいいと思うし、同時に、今までやってきたやり方は大事にしたいと思う。絶対マスメディアに潰されないようにしたいと思っていますね。
ーーメディアといえば、ソロアルバムの話がどうなっているのか気になるのですが・・・書いちゃっていいですか?
ああ、是非書いてください。みんなが気にしていることだと思うんで。あの、自分の中ではなおいっそう進んでいます。自分がやりたい形に近づいてきているんで、きちっとやろうかな、と思っています。あれはもうどうしてもやんなきゃ駄目でしょう。やらなければ先に進まないような気がするね。ソロアルバムを作っていればもう少し言っていることが現実味を帯びてくると思いますね。いやホント珍しい話だよね、レコード会社があきらめないでずっと・・・ラッキーな話だと思いますよ。
まあ、年とってもやることが多いっていうことで、それは嬉しいね。もうトップに立ってやることも全部やり尽くしている人って、そういう人がいるのかどうか別として、一番苦しいんだろうな、って思う。自分が下手だと思ってたから・・・弓の持ち方とか右手と左手のこととかいろいろあるんだけど、プロになってからさらに独学でやっているんです。で、僕はとにかく未熟なもんでそのことは大変なんだけど、やることがいっぱいあるってことは嬉しいなあ。