今堀恒雄 (g.)

    今堀さんは、ご自分のバンドではunbeltipoやそのほかにもサウンドトラックなど多彩な活動をなさっていますが、そうしたなかでこのバンドに声をかけられたときにどう思われましたか?

太田さんとはこのバンドの前にデュオで何度かやったので…。(太田さんのことは)すごく昔から知っているんですけれども、こういった形で一緒にやったことはその前はほとんどなかったんですよ。でも(デュオで)やってみて「すごい人だったんだな」というのがわかって。

具体的に言うとね、僕はすぐリズムのことを考えるんですけど、ヴァイオリンとか弓を使う人でね、ここまでリズムのいい人を僕はなかなか知らない。ヴァイオリンはどこかこう、ゆるやかな感じで、遅くなったりすることが多いんですけど、それにまずびっくりして…。

そんなことから始まって、何度かデュオをやっていて、(だからバンド結成は)僕の中では自然な流れだったんですよ。

    ご自分でいろいろとなさっている音楽とこのバンドの音楽では、違う感じはありますか?

いや、そんなことはないです。とにかくテーマ的なものは提示されますけど、いまのところこのバンドの形としてはけっこう自由ですから。自分のいつもの方法を持ち込んでもいいし、のっかってもいいし、どう出てもいいので、全く違う音楽ということはないです。

    このバンドでないとできないこと、ということはありますか?

それは「ひと」の問題で、この三人がいて、それをあるていど太田さんが仕切っていて、ということで…。言葉にはしづらいですね。やっているときの感覚とか、微妙な高揚感とかタイム感とか、人それぞれ組み合わせによって変わってくるし、それがそのバンドの色になったりするので。それはやっぱり、この三人ならでは、です。

    岡部さんとも以前から一緒に演奏されていたのですか?

もちろん、結構やる機会がありました。勝手知ったる、というかんじです。

    今日、このバンドで過去にやったライブを四回全部観たというファンの方がいらして、その方が「毎回少しずつ演奏が変わっているように感じる」と言っていたのですが、そういう違いみたいなものを感じたりしますか?(※インタビューはライブの後だった)

「バンドとして熟成して」といった変わり方ではないと思いますね…それはこれからだと思うので。他の二人も違う場所で演奏してきて、で、また会って…。色々な事をやってきた人間が時間を経て再会しているので、変わったものが生まれている、ということはあると思います。

interviewed by S. Hayashi, 2009.12.27.